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箱庭療法による内的訓練という副題が付されている。
序はチューリッヒ・ユング研究所指導分析家・哲学博士のリリアン・フレイ氏に、解説は河合隼雄博士による。
はじめに(の書き出し部分)
 私が箱庭療法を知ったのは、分析心理学者の河合隼雄先生が1965年から天理大学と京都市カウンセリングセンターにこの技法を用いられた直後のことでした。心理療法のなかの一つの技法として、先生は、スイスのユング研究所に留学中、たまたま当地に在住のカルフ女史から教えを受け、日本人に向く効果的な技法であるのを直感されて、帰国後まもなく導入を計られたと聞きます。講習会に参加した当時を思いますと、実に10年の歳月が過ぎていますが、最近ではかなり多方面に普及して、心理治療に携わるさまざまの分野に試みられているほか、幼少中高に渡る教育機関においても効果の高い事例に接するようになりました。
 この急速な普及は、何といっても、技法の導入者である河合先生の卓越な識見と力量とによることと思います。がしかし、反面では、技法そのものの持つ生命(こころ)への誘発力について、治療場面での効果的なありかたについて、また、指導者と被指導者との呼吸の合い方などについてーこれは、セラピストの訓練に関わることですがーさらに、この療法においても他の心理療法と同様に、多くのセラピストが経験する二律背反的な落し穴があることなど改めて自覚し、考察すべき事柄が生起しているようにも思われます。
第1部 森への道の口絵
自己への道
黎明書房
1977年発行
ちぎれた肉(第4章)−上
大地の乙女(第4章)−下
リュートをひく青年(第7章)−上
盲目で足なえの老人(第7章)下
女性の心の謎
太陽出版
1981年発行
女性に心の影
山王出版
1999年発行